- 歴史
糸我王子ITOGA OUJI
藤原宗忠は、天仁二年十月十八日に、有田川に架かる仮橋を渡って、伊止賀(いとが)坂を登っていますが、王子の名は、その時の日記には書かれていません。
それから百年後、藤原定家は後鳥羽上皇の熊野御幸に随行して、「いとカ王子」に参っています。「糸我」王子と正しく書いたのは、藤原頼資(よりすけ)の日記です。頼資は修明門院に随行して、承元四年四月二十五日に。この王子社に参拝しています。糸我王子社は近世には廃絶していたらしく、「紀伊続風土記」に、「廃糸我王子」と記されています。また、この付近には、江戸時代に「水王子社」と「上王子社」がありましたが、地元では上王子社を糸我王子社に比定しています。両王子社は明治時代、稲荷神社に合祀されましたが、平成七年、愛郷会の人たちによって、当地に糸我王子社として再建されました。
INFORMATION
糸我王子
- 所在地
- 和歌山県有田市糸我町中番
- アクセス
- 電車:紀伊宮原駅より徒歩約25分
※周辺は道が大変狭いです - 駐車場
- なし